![]() 結合していない管腔を結合するための組成物および方法
专利摘要:
血管腔を含めて、患者の体内において結合していない管腔を結合するための組成物、方法およびキットが開示される。より詳しくは、様々な様態において、本発明は、極小外科技術を典型的に必要とする小さい管腔を含めて、かかる結合していない管腔を結合するための組成物、方法およびキットを提供する。一様態において、本発明は、別の管腔と結合される管腔の終端部分における幾何学的形状を安定化する、外科的用途のための新規な熱可逆性ゾルゲル組成物であって、手術野の温度より少なくとも1℃高いかまたは低い液相からゲル相への相転移温度、および少なくとも8,000パスカルの弾性率をもつ該組成物を提供する。 公开号:JP2011507635A 申请号:JP2010539911 申请日:2008-12-19 公开日:2011-03-10 发明作者:ジェフリー;シー. ガートナー,;ジェラルド;ジー. フーラー,;エブジェニア マンドゥルソブ,;シー.;トラビス ラプライ, 申请人:トートナ グループ, リミテッド パートナーシップ; IPC主号:A61L17-00
专利说明:
[0001] 関連出願への相互参照 本願は、米国特許法第119条(e)項の下、2007年12月20日に出願された米国仮特許出願第61/015,660号の利益を主張し、この米国仮特許出願は、その全体が本明細書中に参考として援用される。] [0002] 発明の分野 本発明は、一般に、血管腔を含めて患者の体内における結合していない管腔を結合するための組成物、方法およびキットに関する。より詳しくは、様々な様態において本発明は、極小外科技術を典型的に必要とする小さい管腔を含めて、かかる結合していない管腔を結合するための組成物、方法およびキットを提供する。] 背景技術 [0003] 発明の背景 結合していない管腔は、該結合していない管腔を意図的に作り出す外科的な状況を含む様々な状況で生じるか、或いは断裂もしくは刺創の結果として生じる。結合していない管腔として意図的に作り出されるものには、合成移植片を取り付けるバイパス手技によって、例えば、管腔の閉塞を処置する外科的修復の間に、或いは美容整形の状況における遊離組織の移植の間に生じるものが含まれる。管腔の開口端を外科的に再接続するために吻合が行なわれる。吻合手技の例は、脈管構造、精管、卵管、尿路、涙管、腸、乳線、消化管、膵管、胆管などにおける吻合手技を含む。それぞれの場合に吻合手技は、体液がそこを通って流れるためのチャンネルを作り出す。] [0004] 吻合は、例えば、端端間、端側間、側側間であってもよい。これらの呼称から明らかなように、吻合は様々な配置を含むことができる。例えば、1つの管状組織と2つの管状組織とを端側間で結合させて3チャンネルの管状組織構造物を作り出すことができる。] [0005] 外科的なコンテクストにおいて、端端吻合は、その呼称から明らかなように、1つの管状組織構造の端部または末端部分と別の管状組織構造の端部または末端部分とを、連続した管腔が作り出されるように接続するための外科的手技である(本明細書において、「端部」または「末端部分」は、管状組織の開口端を指す。) 端側吻合では、分岐した配置をもつ連続的な管腔を形成するために、孔または開口部分をもった管状組織構造が、該開口部分を通じて、管状組織の開口または末端に接続される。同様に、側側吻合では、2つの結合していない管腔が、結合すべきそれぞれの管腔における孔または開口を通じて、連続的な管腔に統合される。] [0006] 吻合の成功は、典型的に、内部構造を塞がずに−血液、精液または食品液体もしくは胃腸液のような−内部の体液流を回復または改善する管腔の滑らかな接続を含む。理想的には、継ぎ合せ/連結外科手技は迅速かつ正確であり、血流を停止するような損傷を受けやすい状態における患者の暴露を最小限に抑える。] [0007] 様々な管状組織があり、第1の管状組織の管腔と第2の管状組織の管腔とでは直径が同じではないことがある。従って、繊細な外科手術は、2つ(またはそれ以上)の非理想的な管状組織を継ぎ合せて結合することを含み、様々な連結技術が様々な成功率で使われてきた。これらには縫合糸、組織接着剤、接着片およびステープル、クリップ並びに他のデバイスが含まれる。これらの材料はすべて、ある程度吻合における実務医の技能、すなわち正確で耐久性があり、潜在的に有害なインビボ反応を生じうる状態を伴わない実務医の技能を必要とする。] [0008] 現時点では、依然として多くの作業を必要とする針および糸が、最もよく使われる技術である。縫合に必要とされる複雑さおよび判断の故に、自動化された技術は広く受け入れられていない。石灰化および病変した脈管が機構的な問題をもたらす。縫合糸は、ある場合に、長期の狭窄または繊維症を引き起こす可能性がある。] [0009] 吻合への他のアプローチは、連結用シーラントおよびBioglueの使用を含む。これらは、縫合術または他の機械的連結技術もしくはデバイスと個別に、または一緒に用いることができる。例えば、1つの市販シーラントCoSeal(登録商標)(Angiotech Pharmaceuticals,Inc.,Vancouver,B.C.,Canada)は、心臓血管手術において縫合術を補完することができる。] [0010] クリップのような、機械的吻合デバイスも利用可能である。1つの市販デバイスU−Clip(商標)(Medtronic,Minneapolis,MN 55432、USA)は、吻合術と競合する結紮用の尖ったニチノール・フックを基本的に提供する。ニチノールは可逆変形を可能にする。C−Port(登録商標)(Cardica,Inc.RedwoodCity,CA 94063 USA)および関連製品が市販されており、冠状動脈にバイパス移植片をしっかり取り付けるためにミニチュアのステンレス鋼・ステープルが使われている。] [0011] しかし、端端間を連結する前に、例えば、実務医は、実例として血管を用いると脈管の外周で管腔を継ぎ合せなくてはならない。しばしば、これは実務医にとって厄介である、なぜなら、血液のないクランプされた血管のような管状組織の端部は完全に丸い円ではなく、むしろ非加圧の萎んだような状態にあり、外周断面は円、楕円であるか、または不規則かもしれず、もちろん内部からの構造的支持はなく、(周辺組織が構造的強度をもたない限り)不安定な任意の形状にある。このように、接続される脈管のサイズは様々でありうる。例えば、血管または他の管状組織は、いくらか弾性(変形可能であり、元の形状に戻る)、または塑性(変形して、完全には元の形状に戻らない)であるが、(例えば、脈管のコンテクストにおいて)連結した時点で漏洩がないか、または最小限であるように、管腔の外周を接続するには熟練した実務医が必要とされる。] [0012] 微小血管のコンテクストにおいて、吻合は、例えば、切断された身体部分の再付着、または臓器もしくは組織の移植過程において、血管の端部間で行なわれる。微小血管の吻合は、しばしば顕微鏡下において手作業で行なわれる、煩わしくて骨の折れる仕事である。接続される血管はしばしば直径が異なり、いずれも非常に細くて約1から約5ミリメートル(「mm」)程度である。血管は、通常、少なくともいくぶん弾性をもつとは言え、実務医は、2つの様々な形状、様々なサイズの外周を(例えば)端端間で継ぎ合せ、(例えば)次にそれらを縫い合わせなくてはならない。その結果、切断された身体部分の再接続、または臓器の移植に必要な微小血管の吻合だけを完了するために、多くの時間がかかることがある。] [0013] かかる微小血管の吻合を行なうためのメカニズムを提供する1つの試みが、Microvascular Anastomotic Coupler(San Diego,California,USA)である。このメカニズムでは、鉗子または同様の器具を用いて、接続されるそれぞれの脈管の端部が、リング上で基本的に外向きに捲られる(「裏返される」)。それぞれのリングは、脈管がその上に裏返される多数のピンを含む。次にそれぞれのリングにおけるピンが他方のリングのくぼみに嵌るように押し付け合ってリングが接続され、脈管の端部間が結び付けられる。しかし、このシステムは、実質的に同じ直径をもつ2つの血管に使えるに過ぎない。さらに、直径が1ミリメータ程度の血管を手作業で裏返すことは、特にリングの外周上にかなり均一に裏返さなければならない場合、困難で骨が折れる。さらにまた、リングによる吻合では2つの脈管間に伸展性が得られない。それ故に、外周の安定化は、実務医が微小血管の端端吻合のために脈管を継ぎ合せる能力を助けはするが、本質的にこのデバイスには微小外科技術に熟練した実務医が必須である。] [0014] 患者と実務医とにとって、多分もっとも骨の折れるのは、心臓の血行再建に係る吻合である。血液を心筋に運ぶ動脈(冠状動脈)は、プラーク(脂肪、コレステロール、および他の物質の蓄積)によって詰まることがある。これは、心臓血管を通る血流を遅延もしくは停止させて、胸痛または心臓発作に繋がる可能性がある。心筋への血流の増加によって、胸痛を緩和し、心臓発作のリスクを低減することができる。いくつの冠状動脈が詰まっているかによって、患者は、1、2、3またはそれ以上のバイパス移植を受けることができる。] [0015] 冠状動脈バイパス移植(「CABG:Coronary artery bypass graft」、開業医によって時々「キャベツ」と発音される)手術は、心臓への血流および酸素を改善するために、詰まった動脈を避けて血液の経路を変更するか、または「バイパスする」。CABG吻合を行なう場合、冠状動脈の閉塞部分を迂回するために、体の別の部分からの健全な血管セグメントが用いられる。この健全な血管は、例えば、胸腔に存在する動脈でもよく、或いは患者の脚からの長い静脈片でもよい。いくつかの状況において、合成の管状組織、または動物の管状組織のような、非自己由来の移植片を用いることもできる。健全な血管の供給源に関わらず、一端は患者の心臓から出て行く大きな動脈(大動脈)に接続され、他端は閉塞領域より下の冠状動脈に適用、または「移植」される。脈管構造を「再配線する」この方法では、心筋への血流が、実質的に遮られることなく回復される。] [0016] 従来から、冠状動脈バイパス移植手術用に人工心肺(心肺装置)が使われている。実務医は、患者の心臓を停止するために薬物を用いて、心拍なしに手術を行うことができる。心肺装置は、酸素に富んだ血液を患者の体の至るところに流し続ける。この従来の心臓バイパス移植手術には、実務医のチームが必要である(外科医、心臓麻酔医および外科看護師、並びに灌流技師(血流の専門家))。少数の実務医および手技が必要な外科的手技に比べて、多数の実務医、さらなる複雑さ、および実際問題としてさらなるヘルスケア・コストが必要になる。] [0017] さらに、心肺装置が患者の血液を体循環に繰り返して送り込むにつれて、血液の質が劣化する可能性がある。この血液は、遠位の血液循環に塞栓を形成するかもしくは凝固する、または遠位の脈管構造へと遊走する凝固を形成して、発作を引き起こすことがある。] [0018] オフポンプの冠状動脈バイパス手術によって、このリスクを低減することができる。「オフポンプ」の冠状動脈バイパス移植法は、心臓拍動(beating heart)バイパス移植法とも呼ばれ、心臓が拍動し続ける間に行われるが、実務医が移植を行えるように、機械装置を用いて周辺脈管構造の安定化を試みることができる。しばしば、心拍によって直接に影響を受ける動脈の位置で移植を行わなくてはならないので、安定化メカニズムがじゅうぶん有効ではなく、実務医は、移植片が少なくともある程度心拍と連動している間にそれを縫合しなくてはならない。従って、移植の質が損なわれる可能性がある。] [0019] バイパス手術では時間が本質的に重要ではあるが、実務医が移植片(単数または複数)のanastomisingを、完全かつ正確に行うことなく急いで終えてしまうことはできない。従来の冠動脈バイパス手術において、バイパス手術の結果に影響を与える3つの重要なdeterminatesは、以下の通りである: (1)患者が心肺バイパス下で過ごす時間、 (2)患者が大動脈をクランプされて過ごす時間、および (3)吻合の質。] [0020] たぶん心肺装置が、体循環を通って循環する血液の質を劣化させるので、1時間後には患者の罹患リスクは増加すると思われる。しかしながら、バイパス手術はしばしば3時間以上も続く。さらに、大動脈がクランプされ、それ故に血液が通過できないところでは、閉塞した血液によってさらなる問題が生じると思われる。] [0021] 吻合には時間がかかる。1つの吻合を縫合するための平均時間は、およそ15から60分である。平均的なCABG手技は、およそ5つの吻合を含むと思われる。従って、移植片を縫合するための平均時間は、患者の罹患率の増加に関係する閾値60分を超える。従来の冠動脈手術で処置されて心肺バイパス下に置かれる患者は、それぞれの吻合を行うのに費やされる時間の低減によって恩恵を受けることであろう。] [0022] 心臓が鼓動したままの「オフポンプ」手技では、動いている心臓の表面において吻合移植片を縫合する困難さから、患者になし終えたかかる移植の質が劣化することがありうる。吻合の場合、血管移植片の断面外周位置によって縫合方向は様々であり、その点で直線的な縫合と異なる。当然のことながら、ある縫合は、導管または血管移植片の最上部から容易に行うことができるが、一方で他の縫合は、導管の下なのでなし終えるのがより難しい。さらに当然のことながら、心拍のような、動いているプラットホーム上でかかる複雑な縫合手技を行なうことは、かかる縫合処置に伴う困難さをさらに増加させる。血管移植片を不適切に患者に接続すると、重大な術後合併症が引き起こされる、および/または不適切に接続された移植片を修正するために手術室で費やされる時間が増加することになりかねない。] [0023] 従って、外科的吻合では実務医および患者の両方が、患者の手技時間を最小限に抑えられる迅速な手技、および複雑さを低減できる簡単な方法、使い易さ、並びに合併症のより少ない高品質の吻合から恩恵を受けることであろう。] 課題を解決するための手段 [0024] 本発明は、管状組織または管腔の末端部分における幾何学的形状を安定化することが、かかる結合していない管腔を結合することを容易にするという発見に関係している。] [0025] 一様態において、本発明は、別の管腔と結合される管腔の終端部分における幾何学的形状を安定化する、外科的用途のための新規な熱可逆性ゾルゲル組成物であって、手術野の温度より少なくとも1℃高いかまたは低い液相からゲル相への相転移温度、および少なくとも8,000パスカルの弾性率をもつ該組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本組成物は、少なくとも1つのポロキサマーを水性溶媒に含む。いくつかの実施形態において、本組成物は、少なくとも2つのポロキサマーを水性溶媒中に含む。] [0026] いくつかの実施形態において、本発明は、 a)3:1〜0.8:1の間の比率のポロキサマー407およびポロキサマー188の混合物約25から33%; b)0.05Mから0.4Mまでのイオン強度をもつ塩水溶液; c)手術野の温度より少なくとも1℃高いかまたは低い液相からゲル相への相転移温度、および d)ゲル相における少なくとも8,000パスカルの弾性率 を含む組成物を提供する。] [0027] 別の様態において、本発明は、患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合する方法であって、 a)管腔の少なくとも1つの少なくとも末端部分に、該管腔(単数または複数)の該部分に構造的完全性を付与するやり方で、熱可逆性ゾルゲル組成物を適用させることであって、該組成物は、手術野の温度より少なくとも1℃高いかまたは低い液相からゲル相への相転移温度、およびゲル相における少なくとも8,000パスカルの弾性率をもち、該組成物は、少なくとも2つのポロキサマーを水溶液中に含む、付着させること; b)該管腔を位置合わせすること; c)導管を形成するために、該位置合わせした管腔を結合すること;および d)該組成物を除去し、それによって該導管を通る体液流を確立すること を含む方法を提供する。] [0028] 一実施形態において、本方法は、 a)管腔の少なくとも1つの少なくとも末端部分中に、熱可逆性ゾルゲル組成物をゲル相で適用させることであって、該組成物は、手術野の温度より少なくとも1℃高いかまたは低い液相からゲル相への相転移温度、およびゲル相における少なくとも8,000パスカルの弾性率をもち、該組成物は、少なくとも2つのポロキサマーを水性溶媒中に含む、付着させること; b)該管腔を位置合わせすること; c)導管を形成するために、該位置合わせした管腔を結合すること;および d)該組成物を除去し、それによって該導管を通る体液流を確立すること を含む。] [0029] 別の実施形態において、本方法は、 a)管腔の少なくとも1つの少なくとも末端部分中に、熱可逆性ゾルゲル組成物を溶液相で付着させることであって、該組成物は、手術野の温度より少なくとも1℃高いかまたは低い液相からゲル相への相転移温度、およびゲル相における少なくとも8,000パスカルの弾性率をもち、該組成物は、少なくとも2つのポロキサマーを水性溶媒中に含む、適用させること; b)該ゾルゲル組成物を液相からその固相に転移させること; c)該管腔を位置合わせすること; d)導管を形成するために、該位置合わせした管腔を結合すること;および e)該組成物を除去し、それによって該導管を通る体液流を確立すること を含む。] [0030] 別の様態において、本発明は、本発明の方法を用いた、少なくとも2つの結合していない管腔の結合、および本発明のゾルゲル組成物を用いた、患者における管腔の末端部分における幾何学的形状の安定化を画像化するための方法を提供する。] [0031] 別の様態において、本発明は、本発明のゾルゲル組成物を用いて患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合する、本発明の方法のためのガイダンスを視覚化する方法を提供する。] [0032] 別の様態において、本発明は、本発明のゾルゲル組成物を用いて患者における結合していない管腔を結合する、本発明の方法の有効性を評価するための方法を提供する。] [0033] 別の様態において、本発明は、本明細書にさらに記載されるように、特に生きている患者における管腔を結合するための薬剤の製造に、本明細書に開示される物質または方法のいずれかを使用することも含む。かくして、一実施形態において、本発明は、患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合するときに用いるための生体適合性の固体塊であって、 a)管腔の少なくとも1つの少なくとも末端部分に、本発明のゾルゲル組成物を配置すること; b)該管腔を位置合わせすること; c)導管を形成するために、該位置合わせした管腔を閉じること;および d)該固体塊を除去し、それによって該導管を通る流れを確立すること を含む方法に用いるための該固体塊を提供する。] [0034] さらに別の様態において、本発明は、上述の方法に役立つ新規なキットを提供する。] [0035] 本発明のこれらおよび他の実施形態が、本文の以下でさらに記載される。本発明の方法、組成物およびキットは、ヒトおよび非ヒト哺乳動物の両方に用いることができる。] [0036] 本発明は、以下の詳細な記載を添付図面と併せて読むときに最も分かりやすい。慣行に従って、図面の様々な特徴は正確な縮尺ではないことを強調しておく。逆に、様々な特徴の寸法は、明確化のために任意に拡大または縮小されている。本図面には以下の図が含まれている。] 図面の簡単な説明 [0037] 部分的な閉塞をもつ管状組織の図式的な断面図である。 部分的な閉塞をもつ領域が除去されて管状組織の両端がクランプ止めされ、2つの結合していない管腔が作り出された、図1の管状組織の図式的な断面図である。 一端に熱可逆性ゾルゲル(固相またはゲル相)が充填され、他端にシリンジを用いて該ゾルゲル(液相)が充填されている、図1の管状組織の図式的な断面図である。 端部がシールされて、ゲル(固相)が所定の位置にあり、クランプがまだ存在している図1の管状組織の図式的な断面図である。 端がシールされて、ゾルゲル(液相に反転)が所定の位置にあり、クランプがまだ存在している図1の管状組織の図式的な断面図である。 端がシールされて、ゾルゲル(液相に反転)が所定の位置にあり、クランプが除去された図1の管状組織の図式的な断面図である。 ゾルゲルが溶解して流れが回復したことを示す、閉塞領域が除去された図1の管状組織の断面図である。] 図1 [0038] 組成物、医療システム、キット、および方法について記載する前に、当然のことながら、記載される特定の実施形態はもちろん変化しうるので、本発明はそれらには限定されない。同じく当然のことながら、本明細書に用いられる用語法は、特定の実施形態についてのみ記載することを目的としており、本発明の範囲は添付される請求項によってのみ制限されることから、限定的であることは意図されていない。] [0039] 本明細書および添付される請求項において、コンテクストが明らかに別のことを指示しない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「前記、該(the)」は、複数の指示対象を含むことに留意すべきである。従って、例えば「熱可逆性ゲル」への言及は複数のかかるゲルを含み、「前記接着剤」への言及は1つまたはそれ以上の接着剤、および当業者に知られたそれらの等価物への言及を含む等である。 I.定義 別に定義されなければ、本明細書に用いられる技術用語および学術用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解しうるのと同じ意味をもつ。本明細書において、以下の用語は以下の意味をもつ。もし定義されなければ、用語は当該技術分野で認められた意味をもつ。] [0040] 用語「約」は、例えば、範囲を含めてpH、温度、量、濃度の数値指定の前に用いられるとき、(+)または(−)10%、5%、1%もしくは0.1%変化しうる近似値を示す。] [0041] 本明細書では、用語「を含んでいる」または「含む」は、組成物および方法が、列挙された要素を含むが他を排除しないことを意味することが意図される。「から本質的になる」は、組成物および方法を定義するために用いられるとき、記述された目的のための組み合わせにとっていずれか本質的に重要な他の要素が、排除されることを意味するものとする。従って、本明細書に定義される要素から本質的になる組成物は、本請求の発明における基本的で新規な特性(単数または複数)に物質的な影響を及ぼさない、他の物質またはステップを除外するものではない。「からなる」は、他の成分の微量元素、および実質的な方法のステップより多くが排除されていることを意味するものとする。これらの移行用語のそれぞれによって明示される実施形態は、本発明の範囲内にある。] [0042] 用語「患者」は、哺乳動物を指し、ヒトおよび非ヒト哺乳動物を含む。] [0043] 用語「外科的」は、疾患または損傷のような病的状態を調査および/または処置して、身体機能もしくは外観を改善または変更するか、或いは他の理由のために、患者の内臓または組織にアクセスするいずれかの医療手技に関する。本明細書では、「外科的」は、患者における切開または解放によって、さらに経皮的アプローチにおけるような皮膚の針穿刺、並びに腹腔鏡手術のようなごく低侵襲性の他の手技によって、患者の内臓または組織にアクセスする手技に関する。] [0044] 用語「管腔」は、血管、精管、卵管、尿路、涙管、腸、乳線、消化管、膵管、胆管などのような、中空管、および該中空管の範囲を限定している周辺組織を指す。管腔は、ePTFE移植片のような人工的な導管も含む。用語「管腔」は用語「導管」と交互に用いられる。] [0045] 用語「導管」は、結合された管腔によって形成され、中に配置されたゾルゲル、または上に配置されたクランプの除去後に、体液流を提供する中空管を指す。] [0046] 例えば「管腔の末端におけるゾルゲル組成物の提供」に用いられる、用語「提供」は、管腔の構造的完全性を支持するために、ゾルゲル組成物を管腔中に存在させる行為を指す。この行為は、「配置」または「供給」などとすることもでき、ゾルゲルは、管腔に固体状態で配置されるか、或いは液体状態で配置されて、管腔内にある間に固体状態に移行することもできる。] [0047] 用語「結合していない管腔」は、開口端または孔を有する管腔であって、もし該開口端または孔を塞ぐか、或いは別の管腔に接続して連続的な管腔を形成し、望ましくない漏出なしに体液を循環させて、目的部位に供給することができるのでなければ、管腔が運ぶか、または運ぶべき体液が望まずして漏出する該管腔を指す。] [0048] 用語「位置合わせ」は、望ましいやり方で管腔を結合することができる所定の位置に、結合すべき管腔を持って来る行為を指し、管腔の端部を継ぎ合せること、および継ぎ合わせた管腔の端部が互いに接触した状態で押し付け合うことを含む。好ましくは、位置合わせは、管腔、およびそれらが接続されるそれぞれの管状組織に対して実質的な張力を生じることなく行われる。] [0049] 用語「接近」は、管腔を接続すべき位置に持って来るか、またはその位置に近接近させる行為を指す。2つの管腔を接近させたときにそれらは互いに近づくが、構造的支持を提供するためのゾルゲル組成物を該管腔内に適用させることができるように、該管腔の端部間にギャップが存在するとよい。] [0050] 「生体適合性ポリマー」、「生体適合性化合物」などのような用語に用いられる用語「生体適合性」は、ヒト患者のような対象の内部で使われたときに、採用量において無毒性で、実質的に非免疫原性の物質を指す。] [0051] 用語「熱可逆性ゾルゲル」は、「転移温度」と呼ばれる臨界値より温度を高く上げるか、または低く下げたときに、液相からゲル相への相転移を経る組成物を指す。用語「液相」または「液体状態」は、2000パスカル・秒より低い粘性をもつ液体または流動形態を指す。用語「ゲル相」または「ゲル状態」は、10,000パスカル・秒より高い粘性をもつゲルまたは相対的な固体形態を指す。レオロジー科学でよく知られるように、組成物の複素粘性率は、パスカル・秒の単位で報告されており、本出願書に報告される粘性率はすべて、複素粘性率として報告される。かかる相転移は可逆的である。かくして、熱可逆性ゾルゲル組成物は、温度を臨界値すなわち転移温度、またはそれより高く上げたときに、液体状態からゲル状態に変化し、温度を臨界値すなわち転移温度、またはそれより低く下げたときに、ゲル状態から液体状態に相転移を経る。好ましくは、液体からゲルへの相転移およびその逆も10分未満で、より好ましくは5分未満で、さらにより好ましくは2分未満で生じる。] [0052] 本発明の目的として、管腔末端の開口を結合している間、充填された管腔の形状を維持する(すなわち、構造的完全性を付与する)ために、ゲルは、じゅうぶんな剛性または「弾性率」をもつことが望ましい。用語「ゲル相弾性率」は、ゲル状態にあるときの、すなわち転移温度より高い温度におけるゾルゲル組成物の剛性を指す。用語「液相弾性率」は、液体状態にあるとき、すなわち転移温度より低い温度におけるゾルゲル組成物の剛性を指す。一実施形態において、熱可逆性ゾルゲル組成物は、約8,000から約50,000まで、または約10,000から約50,000パスカルまで、より好ましくは、約12,000から約40,000パスカルまでの弾性率をもつ。] [0053] 用語「水性溶媒」は、水または水ベースの溶液、例えば、生理食塩水溶液、りん酸緩衝食塩水、および本明細書に記載されるポロキサマーを溶解させるのに適した他の水溶液のような、塩水溶液を指す。塩水溶液は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、硫酸水素ナトリウム(NaHSO4)、りん酸ナトリウム(Na3PO4)、りん酸一ナトリウム(NaH2PO4)、りん酸二ナトリウム(Na2HPO4)、りん酸カリウム(K3PO4)、りん酸一カリウム(KH2PO4)、りん酸二カリウム(K2HPO4)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化マグネシウム(MgCl2)のような様々な可溶カルシウムおよびマグネシウム塩、並びにナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、およびテトラアルキルアンモニウムからなる群から選択される陽イオンと、塩化物、臭化物、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、および蓚酸塩からなる群から選択される陰イオンとの結合によって形成される他の塩、さらにP.Heinrich Stahl,Camille G. Wermuth(Eds.),Handbook of Pharmaceutical Salts Properties,Selection,and Use;2002に記載されるものを含む、他の生体適合性、水溶性の塩から選択される1つまたはそれ以上の生体適合性の塩を含むことができる。] [0054] 用語「りん酸緩衝食塩水」または「PBS(phosphate buffered saline)」は、生理的pHおよび生理的イオン強度(すなわち等張)を維持するのに役立つ緩衝溶液を指す。PBSの最終的な塩濃度は、およそ塩化ナトリウム(NaCl)137mM、りん酸塩10mM、塩化カリウム2.7mMでpH 7.4である。これは、貯蔵液を10倍に希釈して調製することができ、該貯蔵液は、塩化ナトリウム(KCl)800g、塩化カリウム20g、りん酸二ナトリウム(Na2HPO4)144g、およびりん酸一カリウム(KH2PO4)24gを8Lの蒸留水に溶解させて、10Lまで注ぎ足すことによって調製される。PBSは、カルシウム(Ca2+)またはマグネシウム(Mg2+)のような付加的なイオンをもつこともできる。] [0055] 用語「手術野の温度」は、結合していない管腔を結合する外科的手技を行う部位の温度を指す。いくつかの実施形態において、手術野の温度は、脈管壁の温度を指す。典型的に、手術野の温度は、患者の体温に近いが、患者の体温よりいくぶん低いかもしれない。手術野の温度と患者の体温との違いは、患者の体に作られた切開の大きさ、曝露時間、手術室の温度などのような多くの要因によって影響されうる。] [0056] 管腔の用語「末端」および「開口」は、本明細書において同義で用いられ、管腔の開口、例えば、管腔を外科的に2つに分割したときに作り出される2つの端部を指す。「末端」または「開口」は、端側または側側吻合の場合のように、管腔が完全に分割されるわけではないが管腔の壁の部分に開けられた孔も指す。] [0057] 用語「管腔の末端部分」は、管腔における開口近傍の管腔部分を指す。従って、例えば、管腔を外科的に切断したときに結果として生じた2つの開口が、第1および第2の管腔となった管腔の末端部分を定義する。管腔の末端部分は、端側または側側吻合手技に用いるための管腔の孔に近い部分も指す。] [0058] 用語「結合」は、例として縫合、生体適合性糊、レーザーなどの使用を含めて、第1および第2の管腔が構造的に結合される任意の方法を指す。好ましい実施形態において、管腔の結合は、結合された管腔の接合部からの体液の漏出がほとんどない、またはまったくない条件下で行なわれる。] [0059] 例えば、「相変化の実質的な完了の確認」に用いられる、用語「実質的な完了」は、ゾルゲル組成物が、管腔、例えば、結合されている血管に接続されたそれより小さい血管部分に、望ましくない閉塞を生じることなく、確実に該管腔中の体液流によって吻合部位から安全に除去されうる相変化の量を指す。いくつかの実施形態において、「実質的な完了」は、約50%、80%、90%または95%以上、および100%までの相変化を指す。] [0060] 用語「熱可逆性ゾルゲル組成物の除去」は、結合された管腔によって形成された導管から、ゾルゲル組成物を除去することを指す。これは、温度を転移温度より低く下げて、熱可逆性ゾルゲル組成物をゲル相から液相に転移させることによって、または溶解させて、次に管腔内の体液で洗い流すことによって行うことができる。さらにまた、熱可逆性ゾルゲル組成物を液体の流動形態に変える任意の補足的な方法も用いることができる。例えば、ある熱可逆性ゾルゲル組成物は、イオン強度、光、pHなどの単独の変化、または温度変化との組み合わせをきっかけとし、ゲルから液体に相転移を生じることができる。本組成物の除去を容易にするために、2つまたはそれ以上の方法を組み合わせることもできる。熱可逆性ゾルゲル組成物は、導管から除去された後に体液に入り込み、体から除去または排除されるまで全身的な体液流の一部分となる。] [0061] 「治療作用のある部分」は、生理活性部分とする。治療効果は、病気または身体疾患の原因もしくは症状の処置を追求するものである。用語「処置する」または「処置」は、本明細書では、(i)ある疾患または状態に罹患しやすいかもしれないが、まだ罹患の診断がなされていない対象における、該病気または疾患の発生を予防すること;(ii)該病気または疾患を抑制する、すなわちその進行を止めること;および/または(iii)該病気または疾患を改善または緩和すること、すなわち、該病気を退行させることを指す。治療有効量は、該当する臨床基準により決定されるような、治療効果の因果関係を確立するのにじゅうぶんな量である。治療有効量は、具体的に取り込まれる薬剤、処置される対象および病状、対象の体重および年齢、病状の重症度、従うべき投与方式、投与のタイミング、投与の仕方などにより変化するであろうが、これらはすべて、当業者によって容易に決定されることができる。] [0062] 用語、体液流の「停止」は、体液流を止める、実質的に止める、または減少させる行為を指す。これは、例えば、クランプを用いる、脈管ループ、絹ひもを提供する、(例えば、指またはtournequetteを用いて)直接に圧力を加えるなど、多くの方法で行うことができる。] [0063] 用語「クランプ」は、管腔中の体液流を停止させる、例えば、血管中の血流を停止または減少させるために、管腔に取り付けるのに適した従来の機械的デバイスであり、もはや必要なくなった後には回収することができ、それによって流れを回復させるデバイスを指す。クランプは、手術すべき脈管を外部からクランプするのに適したクランプ、クリップおよび止血帯またはスネアなど、任意の外科用クランプを含む。クランプは、管腔の内部に取り付けるデバイス、例えば、血管の内部に配置し、膨張させて血流を止めるバルーン付きカテーテルなども含む。適切なクランプが当技術分野で知られている。] [0064] 本明細書では、用語「接着剤」、「外科用接着剤」、「糊」、「生体適合性糊」または「シーラント」などが同義で用いられる。これらの用語は、1つの組織を他の組織に結合するときに使うか、または使うことができる化合物を記載するために用いられる。糊は、共有結合の形成によって作用することができ、組織が相互に接触して自然に治癒するか、または融合することを可能にする。接着剤は、シアノアクリレート・ベースの接着剤、フィブリン・ベースの接着剤、ポリウレタン・ベースの接着剤、ポリイソシアネート・ベースの接着剤ポリエテレングリコール・ベースの糊、ラテックス糊、((ヒト、ウシ、またはブタの血清アルブミンのような)血清アルブミンおよびグルタルアルデヒドを含んだものなど、タンパク質ベースの糊としても知られる)生物糊、または紫外線硬化性糊から構成されることができる。接着剤に加えた場合、in situ硬化させた時点で開いたセル構造を生成して、組織の内殖を促進する任意の生体適合性材料を接着剤に含ませることができる。例えば、かかる材料は、糊と共存できるが非混和性であり、比較的速く組織に吸収されて糊に細孔を残すことができる、塩化ナトリウム、サッカロース結晶、ゼラチン球もしくはパラフィン球、または乳化液のような、発泡剤またはポロジェンを含むことができる。他の適切な生体適合性剤が、当技術分野で知られている。組織は、糊のマトリックスに浸潤し、糊が体に再吸収されていくにつれて、至るところで治癒することができると考えられる。接着材料は、当業者に知られた刊行物、および2006年5月16日発行の米国特許第7,044,982号、および2005年9月6日発行の米国特許6,939,364号になされた参照のうちに見出すことができる。これらはいずれも、外科用接着剤を開示し記載するためにそこに引用された刊行物とともに、その開示が本開示と矛盾しない範囲内で参照により本明細書に組み込まれる。糊の例は、限定なしに、ArterX(登録商標)(Tenaxis Medical,Inc.,Mountain View、CAによる)、CovaBond(登録商標)(Covalent Medical,Inc.,Ann Arbor,MIによる)、ProGEL VS(商標)(Neomend,Irvine,CA)、PPCA&DermaFlex(登録商標)(Chemence Medical,Alpharetta,GAによる)、Bioglue(登録商標)(ボルビン血清アルブミンおよびグルデルアルデヒドの混合物であることが知られる、Cryolife,Inc.,Kennesaw,GAによる)、Coseal(登録商標)(Baxter、Deerfield、ILによる)、Microval(登録商標)(Medico Corp.,Bucuresti,Romaniaによる)、Omnex(登録商標)(Ethicon Inc.,Somerville,NJによる)、HistoAcryl Blue(登録商標)(B BraunのAesculap子会社による、TissueSealと連携)、Indermil(登録商標)(Syneture.Mansfield,MAによる)。LiquiBand(登録商標)(Advanced Medical Solutions Group,UKによる)、Glubran(登録商標)(Gem s.r.l.Italyによる)、GluSeal(登録商標)(GluStitch,Canadaによる)、Neuroacryl(登録商標)およびTruFill(登録商標)(Cordis,Warren,NJによる)なども含む。糊は、Tissucol(登録商標)およびTisseel(登録商標)(Baxter,Deerfield,ILによる)、Avitene(登録商標)(Davol,Inc.Providence,RIによる)DuraSeal(登録商標)(Confluent Surgical,Waltham,MAによる)、Dermabond(登録商標)、Evicel(登録商標)およびQuixil(登録商標)(Ethicon Inc.,Somerville,NJによる)、LTG(登録商標)(MediGlue,Russiaによる)、Epiglu(登録商標)(Meyer−Haake GmbH Medical Innovations,Germanyによる)、TachoSil(登録商標)(Nycomed,Austriaによる)および、TissuGlue(登録商標)(Cohera Medical,Inc.,Pittsburgh,PAによる)も含むことができる。 II.組成物 一様態において、本発明は、患者における2つまたはそれ以上の結合していない管腔、例えば、血管を結合する本発明の方法に用いるための、ユニークな特性をもつ熱可逆性ゾルゲル組成物を提供する。本方法の実例となる実施形態において(本発明の方法の詳細な記載は、以下の節「III.吻合方法」に見出すことができる)、(切断された後の血管を示す)図2に示されるように、血管を切断する前に、クランプ間の部分で血流を止めるために、2つのクランプが血管上に配置される。かくして、クランプからの外圧が原因となり、さらに外科医による吻合中の操作と、血流がない状態での内圧の欠如とが相俟って、切断された血管は構造的完全性を維持しそうにないために、血管を結合することが難しくなるであろうことは理解するに難くない。それ故に、本発明は、結合手技中の脈管に構造的支持を提供するために、管腔のクランプ部より末端に都合よく配置することができて、該管腔が結合された後に容易に除去することができる熱可逆性ゾルゲル組成物を提供する。] 図2 [0065] じゅうぶんな構造的支持を提供するためには、ゾルゲル組成物のゲル状態が、少なくとも8,000パスカル、10,000パスカル、または12,000パスカルの最小の剛性または弾性率をもつ必要があると考えられる。加えて、患者に安全に適用するために、本組成物は、生体適合性、無菌かつ安定で、ヒト組織が耐えうる範囲内の転移温度をもつことが好ましい。本熱可逆性ゾルゲル組成物は、周辺組織への損傷を回避するために、生理的条件と同様のpHおよびイオン強度をもつことが好ましい。] [0066] 手術野の周囲温度より少なくとも1℃高いかまたは低い転移温度を用いることが考えられる。しかしながら、患者に安全なように、転移温度は、45℃超または0℃未満であるべきでもない。いくつかの実施形態において、本組成物は、熱的なソルゲル転移が外科的な状況下で容易に生じうるように、手術野の周囲温度より少なくとも1℃高いかまたは低い転移温度をもつ。これは、手技の持続期間を最小限に抑え、かつその質を改善するために重要でありうる。いくつかの実施形態において、本組成物は、手術野の周囲温度より少なくとも3℃高いかまたは低い転移温度をもつ。] [0067] いくつかの実施形態において、本熱可逆性ゾルゲル組成物は、33℃〜38℃の間、または35℃〜37℃の間の転移温度をもつ。いくつかの実施形態において、転移温度は約35℃である。かかるゾルゲル組成物は、室温で保存されているときに液体であり、液体として管腔に供給することができる。次に、熱源を用いて転移温度を超えるまで本組成物を少し暖めて、所望の剛性をもつゲルを形成することができる。脈管を結合させた後に熱源を除去し、温度を手術野の周囲温度またはそれより低く下げて、ゲルからその液体状態への変化を誘発させることができる。血流が回復するとこれが希釈されて、結合された血管から除去される。手術野の周囲温度より低い転移温度をもつ組成物は、ゲル状態で供給することができ、転移温度より低いが管腔組織がまだ耐えうる範囲内の温度に降温することにより除去することができる。吻合手技後に結合された脈管から容易に除去するために、本熱可逆性ゾルゲル組成物は、容易に除去できて血液のような体液流の閉塞を招くことがないように、良好な水溶解度および10,000パスカル以下の液相弾性率をもつ必要があると考えられる。] [0068] 一実施形態において、本発明は、患者の外科手術の間に別の管腔と結合される管腔に、先述の所望のパラメータを満足する構造的支持を提供するための熱可逆性ゾルゲル組成物を提供する。一実施形態において、本発明のゾルゲル組成物は、手術野の周囲温度より少なくとも1℃高いかまたは低い液相からゲル相への相転移温度、および転移温度より高い温度において少なくとも8,000パスカル、10,000パスカル、または12,000パスカルのゲル相弾性率をもつ。一実施形態において、本熱可逆性ゾルゲル組成物の転移温度は、手術野の周囲温度より少なくとも3℃高い。一実施形態において、本組成物は、少なくとも1つのポロキサマーを水性溶媒中に含む。該水性溶媒は、水、または生体適合性の塩水溶液であってもよい。一実施形態において、本組成物は、少なくとも2つのポロキサマーを水性溶媒中に含む。別の実施形態において、本ゾルゲル組成物は、10,000パスカルの最大液相弾性率をもつ。] [0069] 一実施形態において、本熱可逆性ゾルゲル組成物は、35℃〜38℃の間の転移温度をもつ。一実施形態において、本組成物は、34℃において10,000パスカルの最大弾性率をもつ液体であり、かつ37℃において12,000パスカルの最小弾性率をもつゲルである。一実施形態において、本組成物は、40℃において少なくとも17,000パスカルの弾性率をもつ。] [0070] 一実施形態において、本組成物は無菌である。] [0071] 一実施形態において、本組成物のpHは5〜9である。別の実施形態において、本組成物のpHは6〜8である。] [0072] ポロキサマー188とポロキサマー407との混合物が、正しい濃度および比率を所与として、上記の望ましい特性をもつ熱可逆性ゾルゲル組成物を生成するということが、本発明の結果である。ポロキサマーは、HO(C2H4O)a(C3H6O)b(C2H4O)aHの化学式で表わされ、Pluronics(登録商標)およびLutrol(登録商標)のような商標でも知られる生体適合性ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体である。化学式中のaおよびb値、並びにそれらの分子量に基づいて、ポロキサマーのいくつかのタイプ、例えば、ポロキサマー124、182、188、237、338および407がある。それらが水または水性溶媒に溶解すると、熱可逆性ゾルゲル組成物が形成される。しかしながら、ポロキサマー188とポロキサマー407とのある混合物は、本発明の方法に特に有用なことがわかる。ポロキサマー188は、Pluronic(登録商標)F68またはLutrol(登録商標)F68としても知られ、約8,400の平均分子量をもつ。ポロキサマー407は、Pluronic(登録商標)F127またはLutrol(登録商標)F127としても知られ、約12,5000の平均分子量をもつ。当然のことながら、ポリマーは、重合プロセスに付随して生じる様々な分子量の混合物を含んでいてもよい。] [0073] ポロキサマー188とポロキサマー407との比率、および総ポロキサマー濃度の両方ともに、結果として生じる熱可逆性ゾルゲル組成物の特性に影響を与えることが見出だされている。総ポロキサマー濃度の上限では溶解度が懸念される。ポロキサマー188と407との総濃度の溶解限度は約35%である。しかしながら、もし総ポロキサマー濃度があまりに低いと、本組成物が固化したときにじゅうぶん硬くならないであろう。ポロキサマー188とポロキサマー407とのある比率では、総ポロキサマー濃度を増すと、弾性率は増加するが液体・固体転移温度は低下する。ごく低い転移温度は、本熱可逆性ゾルゲル組成物の供給および除去に問題を生じることがある、なぜなら、該組成物は、手術野の周囲温度においてゲル状態のままであり、従って、それを除去する前に冷却して液体状態に変えることが必要になりかねず、吻合手技を複雑にするからである。] [0074] ある総ポロキサマー濃度において分子量が低い方のポロキサマー、すなわちポロキサマー188の割合を増やすと、転移温度を高めることができる。本組成物にポロキサマー188が豊富な場合には転移温度が高過ぎることになり、液体・ゲル転移を誘発させるために管腔の温度を、組織に損傷を生じかねない温度まで上げなければならず、所望の目的にとって危険である。本組成物にポロキサマー407が豊富な場合には転移温度が低過ぎることになろう。一般に、2つの熱可逆性ゾルゲル組成物が同じ転移温度をもつ場合、総ポロキサマー濃度がより高い組成物がより高いゲル相弾性率をもつことになる。従って、弾性率を増加させる一方で所望の転移温度を維持するためには、ポロキサマーの総濃度と同時にポロキサマー188の割合を増やす必要があり、逆もまた同様である。] [0075] 表1は、本発明の熱可逆性ゾルゲル組成物のいくつかの実施例、および本発明の方法に用いるのに望ましい特性を有しない例を示す。表1に示されるように、配合1〜3は、本発明の方法に用いるのに望ましい転移温度および剛性を有する。総ポロキサマー濃度とポロキサマー188の比率とを同時に増やすことによって、一定の転移温度を得ることができる。剛性は、総ポロキサマー濃度が増すと増加する。しかしながら、バランスを欠いて変更すると、組成物の不満足な方法に繋がりかねない。例えば、総濃度28%と、ポロキサマー407:188の比率1.55:1とを組み合わせる(配合1)と、所望の転移温度および剛性が得られる。しかしながら、ポロキサマー407の比率を2.85:1まで増やす(配合5)と、転移温度が低くなり過ぎる、すなわち34℃において本組成物は依然としてゲルである。その一方で、ポロキサマー407の比率を1:1まで減らす(配合4)と、転移温度が高くなり過ぎる、すなわち40℃において本組成物は依然として液体である。しかし、もし総ポロキサマー濃度を28%から31%まで増やせば、ポロキサマー407:188の比率1:1が使用可能になる。] [0076] かくして、一実施形態において、本発明の熱可逆性ゾルゲル組成物は、 a)3:1〜0.8:1の間の比率のポロキサマー407およびポロキサマー188の混合物約25から33%; b)0.05Mから0.4Mまでのイオン強度をもつ塩水溶液; c)手術野の温度より少なくとも3℃高いかまたは低い液相からゲル相への相転移温度、および d)ゲル相における少なくとも12,000パスカルの弾性率 を含む。] [0077] 一実施形態において、本組成物は、3:1〜0.8:1の間の比率のポロキサマー407およびポロキサマー188の混合物約25から29%を備える。] [0078] 一実施形態において、本組成物は、1.5:1〜1.6:1、または1.53:1〜1.57:1の間の比率のポロキサマー407およびポロキサマー188の混合物約27〜29%を含む。] [0079] 一実施形態において、本組成物は、約1.55:1の比率のポロキサマー407およびポロキサマー188の混合物約28%を含む。] [0080] 一実施形態において、塩は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、硫酸水素ナトリウム(NaHSO4)、りん酸ナトリウム(Na3PO4)、りん酸一ナトリウム(NaH2PO4)、りん酸二ナトリウム(Na2HPO4)、りん酸カリウム(K3PO4)、りん酸一カリウム(KH2PO4)、りん酸二カリウム(K2HPO4)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化マグネシウム(MgCl2)のような様々な可溶性カルシウムおよびマグネシウム塩からなる群から選択される。他の塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、およびテトラアルキルアンモニウムからなる群から選択される陽イオンと、塩化物、臭化物、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、および蓚酸塩からなる群から選択される陰イオンとの結合を含み、さらに他の生体適合性、水溶性の塩は、P.Heinrich Stahl,Camille G. Wermuth(Eds.),Handbook of Pharmaceutical Salts Properties,Selection,and Use;2002に記載されるものを含む。2つまたはそれ以上の任意の組み合わせを用いることもできる。] [0081] 一実施形態において、塩水溶液は、約7.4のpHをもっており、68mMの塩化ナトリウム、1.3mMの塩化カリウム、および5mMのリン酸イオン;から274mMの塩化ナトリウム、5.4mMの塩化カリウム、および20mMのリン酸イオンまでの間の塩濃度を含んでいる溶液の、イオン強度に等しいイオン強度をもつ。] [0082] 一実施形態において、塩水溶液はりん酸緩衝食塩水である。] [0083] 一実施形態において、熱可逆性ゾルゲル組成物は、 約17重量%のポロキサマー407; 約11重量%のポロキサマー188; および約72%のりん酸塩緩衝食塩水溶液 を含む。] [0084] 本発明の組成物には、実質的にポリエチレンオキシドおよびポリビニルピロリドンがない。] [0085] 本発明の熱可逆性ゾルゲル組成物は、1つまたはそれ以上の付加的な部分を含むことができる。例えば、本組成物は、好ましくは、治療有効量の生理活性部分を含むことができる。かかる生理活性部分の例は、抗凝固物質(例えば、ヘパリン)、血小板抑制薬、および血栓溶解剤のような抗血栓剤;ベータ遮断薬、カルシウムチャンネル遮断薬、および硝酸塩のような抗狭心症薬、;創傷治癒剤;タンパク質もしくは遺伝子形態、またはその組み合わせにおける線維芽細胞成長因子(FGF:fibroblast growth factor)、インスリン様成長因子(IGF:insulin−like growth factor)、血管内皮成長因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)、B細胞成長因子(bGF:B−cell growth factor)、肝細胞成長因子(HGF:hepatocyte growth factor)、単球走化性タンパク質-1(MCP1:monocyte chemotactic protein−1)、並びに参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,702,744号に記載されたもののような成長因子、成長因子を含んだ遺伝子ベクター、これらは徐放製剤中にあってもよい;成長ホルモン、エストラジオール、およびコルチコステロイドを含む他のステロイドのような、ホルモン;血管新生促進剤;ニトログリセリンのような、抗血管攣縮剤;抗再狭窄(抗増殖)剤、例えば、エベロリムス、シロリムス、パクリタキセル、ラパマイシン、バイオリムス(Biosensors International,Singapore)などのような、「リムス」ファミリーの薬物を含む。] [0086] いくつかの実施形態において、本発明の熱可逆性ゾルゲル組成物は、実質的に抗生物質、抗バクテリア、抗ウイルスおよび抗真菌剤のような、抗感染症薬;殺菌薬;ジクロフェナックのような、抗炎症剤;および抗緑内障薬を含まない。] [0087] 本組成物は、造影剤も含むことができる。ゾルゲルおよび/または手技を追跡およびモニターするために、例えば、ラジオグラフィーによってモニターされうる生体適合性のX線不透過材料のような造影剤も、ゾルゲル組成物に添加することができる。該造影剤は、水溶性であっても不水溶性であってもよく、天然量、すなわち使用元素の内部から自然に発生する量を超える放射能を含まないことが好ましい。] [0088] 水溶性の造影剤の例は、メトリザマイド、イオパミドール、イオタラム酸ナトリウム、ヨードミドナトリウムおよびメグルミンを含む。不水溶性の造影剤の例は、タンタル、酸化タンタル、および硫酸バリウムを含み、これらはそれぞれ、約10ミクロン以下の好ましい粒子サイズを含むインビボ用途に適した形態で市販されている。他の水不溶性の造影剤は、金、タングステンおよび白金粉末を含む。] [0089] 特に管腔が厚い壁をもつ場合、本組成物は、視覚化に適した生体適合性の色素も含むことができる。かかる色素は、当技術分野でよく知られている。 III.吻合方法 別の様態において、本発明は、患者における2つの結合していない管腔を結合するために、本発明の熱可逆性ゾルゲル組成物を用いる方法であって、 a)管腔の少なくとも1つの少なくとも末端部分に、該管腔(単数または複数)の該部分に構造的完全性を付与するやり方で、熱可逆性ゾルゲル組成物を適用させること; b)該管腔を位置合わせすること; c)導管を形成するために、該位置合わせした管腔を結合すること;および d)該組成物を除去し、それによって該導管を通る体液流を確立すること を含む方法を提供する。] [0090] 本発明は、1つの中空組織構造(管腔)と別の中空組織構造(管腔)とを、それぞれの中空組織構造内の空間が接続されるように接続し、それによって導管(管腔内導管)を形成する、任意の吻合手技に適用することができると考えられる。本発明は、微小血管のコンテクストで用いることができ、例えば、切断された身体部分を再適用させる、および/または臓器もしくは組織を移植する過程において、血管の端部間で実施することができる。本発明は、ごく低侵襲性の手技、またはカテーテルによるpercutanteousアプローチにも用いることができる。本発明の方法は、例えば、閉塞または部分的な閉塞を除去することを目的として、元々傷ついていなかった管腔を切断する外科的手技の結果として生じた、結合していない管腔を結合するために用いることができる。適切な管腔は、例として、脈管構造、精管、卵管、尿路、涙管、腸、乳線、消化管、膵管、胆管などを含む(具体的な解剖学的管腔は、本明細書のコンテクストにおいて、管、導管または脈管のような従来の解剖学的命名法によって参照されることができる)。] [0091] 一実施形態において、本発明の方法は、 a)管腔の少なくとも1つの少なくとも末端部分に、(上記に詳述された)本発明の熱可逆性ゾルゲル組成物を、ゲル相で適用させること、 b)該管腔を位置合わせすること; c)導管を形成するために、該位置合わせした管腔を結合すること;および d)該組成物を除去し、それによって該導管を通る体液流を確立すること を含む。] [0092] 別の実施形態において、本方法は、 a)管腔の少なくとも1つの少なくとも末端部分中に、(上記に詳述された)本発明の熱可逆性ゾルゲル組成物を、溶液相で適用させること、 b)該ゾルゲル組成物を、液相から固相に転移させること; b)該管腔を位置合わせすること; c)導管を形成するために、該位置合わせした管腔を結合すること;および d)該組成物を除去し、それによって該導管を通る体液流を確立すること を含む。] [0093] いくつかの実施形態において、本方法は、患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合するための方法であって、管腔の少なくとも1つは、中の流体の流れを停止するためのクランプを有し、本方法は、 (a)少なくとも該クランプを有する管腔の少なくとも末端部分に、相反転が可能な本発明の生体適合性ゾルゲル組成物を、ゲル相で提供すること、 (b)該管腔を位置合わせすること; (c)導管を形成するために、該位置合わせした管腔を閉じること;および (d)ゾルゲルがゲル相から液相に変化する、該ゾルゲルの相転移を誘発させること; (e)該相転移の実質的な完了を確認すること;および (f)該クランプ(単数または複数)を除去し、それによって該導管を通る流れを確立し、かつ該ゾルゲル組成物を除去すること を含む。] [0094] いくつかの実施形態において、結合していない管腔はすべてクランプを有する。] [0095] いくつかの実施形態において、本方法は、患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合させる方法であって、本方法は、 (a)結合位置において管腔を接近させること; (b)両方の管腔の末端部分に、相反転が可能な本発明の生体適合性ゾルゲル組成物を、ゲル相で提供すること; (c)導管を形成するために、該管腔を閉じること;および (d)ゾルゲルがゲル相から液相に変化する、該ゾルゲルの相転移を誘発させること;および (e)該導管を通る流れを確立すること を含む。] [0096] 上記の方法のいくつかの実施形態において、ステップ(e)は(e1)および(e2)を備え、(e1)は相転移の実質的な完了を確認することを備え、(e2)は該クランプを除去し、それによって該導管を通る流れを確立して、該ゾルゲル組成物を除去することを含む。] [0097] いくつかの実施形態において、結合位置において管腔を接近させることは、該管腔を部分的に縫合することを含む。] [0098] いくつかの実施形態において、上記の方法は、管腔にゾルゲル組成物を提供するステップの前に、ステップをさらに備え、該ステップは、管腔における体液流を停止することを含む。] [0099] いくつかの実施形態において、管腔における体液流を停止することは、管腔の少なくとも1つをクランプすることを含む。いくつかの実施形態において、管腔における体液流を停止することは、結合される管腔すべてをクランプすることを含む。] [0100] いくつかの実施形態において、管腔における体液流を停止することは、管腔の少なくとも1つに圧力を加えることを含む。] [0101] いくつかの実施形態において、本方法は、管腔にゾルゲル組成物を提供するステップの前に、クランプした管腔の末端部分を生体適合性の液体で洗い流すことをさらに含む。] [0102] いくつかの実施形態において、本発明は、患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合するための方法であって、管腔の少なくとも1つは、中の流体の流れを停止するためのクランプを有しており、本方法は、 クランプした管腔の末端部分を生体適合性の液体で洗い流すこと; 接続位置において管腔を接近させることであって、管腔を部分的に縫合することを含む、接近させること; 両方の管腔の末端部分に相反転が可能な本発明の生体適合性ゾルゲル組成物を、ゲル相で提供すること、 導管を形成するために、生体適合性の接着剤で該管腔を閉じること; ゾルゲルがゲル相から液相に変化する、該ゾルゲルの相転移を誘発させること; 該相転移の実質的な完了を確認すること;および 該クランプを除去し、それによって該導管を通る流れを確立して、該ゾルゲル組成物を除去すること を含む方法を提供する。] [0103] 例示の目的で用いられる一実施形態において、冠状動脈バイパス移植(CABG)手技、または周辺バイパス手技の間に、2本の血管、または1つの血管と1つの合成移植片とを接続するために、吻合が行なわれる。繋ぎ合わされる血管は、異なる直径を有してもよい。さらにまた、1つまたは両方の血管はごく小さくてもよく、約1から5ミリメートル(「mm」)程度であってもよい。本発明を用いた微小血管吻合手技は、顕微鏡下で行うことができる。] [0104] ここで次に図を参照し、一般的な概念を伝えるべく、本発明が概略的かつ単純化されたやり方で記載される。これらの概念を念頭において、当業者は、本請求項に包含されることが意図された、詳細で具体的な本発明の実施形態に思いを致すことであろう。図1は、流れ2がそこを通過している脈管1としてもよい管腔の図式的な断面図を示す。ポイント3および4で示された脈管の区分は、閉塞5および6の形成によって流れが制限されている。閉塞があまり酷くなると、流れが完全に阻止されかねない。流れを回復させるために、様々な異なった処置法が利用できることを当業者は理解するであろう。] 図1 [0105] 流れを回復させるための手術に先だって、流体(例えば、血液)の流れを止めるか、または減少させるために、脈管を塞ぐ必要がある。かかる閉塞は、血液の過度の損失、および連続的な血流によって引き起される合併症を防ぐために、血管が関与する吻合にとって重要である。これは、手術される血管に少なくとも1つのクランプを取り付けることによって、もしくは外圧を加える、例えば、指もしくは止血帯で血管構造を押さえつける、或いは血管の切断ポイントから上流、もしくは切断ポイントの両側に血管ループまたは血管帯を提供するような、従来の手段によって達成することができる。しかしながら、流体が連続的に流れないか、または手技を複雑にしない流体量における他のタイプの管腔の吻合では、クランプする必要がないこともある。] [0106] 図2に示されるように、閉塞した部分の除去に先立って血流をクランプ間の区分で止めるために、クランプ7および8が血管上に配置された。かかるクランプは、クランプ、クリップおよび止血帯またはスネアのような、手術される血管を外側からクランプするのに適した任意の外科用クランプとすることができる。クランプ後に、流れがポイント3〜4間で制限された脈管1の部分が、続いて外科的に除去される。ポイント3〜4間の距離が、端部を互いに接触させて流れを回復することができるように、じゅうぶん小さいことを当業者は理解するであろう。] 図2 [0107] いくつかの実施形態において、脈管が、開口端をもつ2つの結合していない脈管に切断された後、もしくは病んだ部分が切断された後、または側端または側側吻合の場合、脈管に孔が作り出された後に、脈管に存在するかもしれない任意の望ましくない物質、例えば、病んだ、もしくは死んだ組織または細胞、鉱質沈着物、プラーグ、血栓、血塊などを除去するために、クランプ7と開口端3との間の脈管部分を水または生理食塩水溶液のような生体適合性の流体で洗い流すことができる。一実施形態において、該溶液は無菌である。] [0108] ここで図3を参照すると、クランプ7と端3との間の脈管1の内部には、固相にあることが×マークで示された熱可逆性ゾルゲル10が充填されている。クランプ8と端4との間の領域には、ゾルゲル11が液相で充填されつつある。随意的な実施形態において、熱可逆性ゾルゲル10は、脈管中への供給を容易にするために、ゲル相で導入するとよい。ゾルゲルは、皮下注射器9のような適切な供給機器から注入される。ゾルゲル物質は、皮下注射器内にあるときに、流動性の液相か、またはゲル相のいずれであってもよい。前者の場合、本組成物は、手術野の周囲温度以下で液相として供給され、加熱して転移温度より高く昇温した時点で、固体ゲル相(10)に相転移を生じる。後者の場合、供給機器の温度は、本熱可逆性ゾルゲル組成物の転移温度より高く保たれる。本組成物は、固体ゲル相(10)として供給され、転移温度より高い温度に保たれることによって固体ゲル相を維持する。ゾルゲル組成物が、手術野の温度より低い転移温度をもつ場合には、後者の方が扱いやすいと考えられる。ゾルゲル組成物が、手術野の温度より高い転移温度をもつ場合、組成物を予備加熱し、ゲルとして供給することができる。] 図3 [0109] 必要に応じて、結合ステップの間に、さらなる量のゾルゲル組成物を管腔に適用させるとよいと考えられる。] [0110] 代わりに、本手技は、接続位置において、例えば、2つの管腔を部分的に縫合することにより管腔を接近させることを含む。例えば、管腔を接続位置に持って来るために、該管腔の対向側面に2〜3の縫合糸を適用することができる。次に、部分的に縫合された開口に、本熱可逆性ゾルゲル組成物を適用させ、連続的なゲルカラムを形成して管腔に充填することができ、該管腔を全面的に結合する次の手技のための、構造的支持を付与することができる。この目的のために適用される縫合糸の量は、該管腔を完全に閉じるのではなく、両方の管腔にゲルを適用できるように該管腔を位置合わせすることが意図されており、例えば、ある実施形態において、該縫合糸は、それぞれの側に4〜6、または2〜4、好ましくは1〜2縫合糸である。管腔を接近させることは、管腔を接続する技術において知られる、一時的または永続的な固定クランプまたはクリップ、レーザー、電気焼灼などを用いることによって、予成形することもできる。] [0111] 代わりに、部分的な縫合は、ゲルを適用させた後に(管腔に捩じれがないことを確かめて)、糊を適用させる前に適用することができる。例えば、クランプ止めと血流の欠如とが原因となって萎んだ脈管にゲルを適用させることによって、それらを膨らませることができる。次に、糊を適用させて該脈管を完全かつ持続的に結合する前に、それらを部分的に接続して接続位置に持って来るために、該膨らませた脈管に縫合を適用することができる。管腔を接続する技術分野で知られる、一時的もしくは永続的な固定クランプまたはクリップ、レーザー、電気焼灼などを用いることによっても、管腔を部分的に連結することができる。] [0112] 本熱可逆性ゾルゲル組成物は、脈管1の末端の少なくとも一部分が開状態に維持されるのにじゅうぶんな量が含まれる。脈管を通る流れがない状態では何か力が存在しないと、脈管1の側壁が相互に接触して脈管が閉じてしまうであろう。固体ゲル相(10)は、構造的にじゅうぶんな硬さを管腔に付与し、じゅうぶん充填された形態の脈管を用いて吻合を進めることを可能にする。] [0113] 図4に示されるように、管腔の2つの端部、および脈管外表面のポイント3および4に、接着剤または糊12を適用させることによって、2つの管腔を結合して一緒にシールすることができる。図4は、糊の使用を示すが、当然のことながら、本明細書に記載されるように、縫合またはレーザーソルダー法もしくは溶着法のようないくつものやり方で、結合または連結を達成することができる。管腔は、電気焼灼、または当技術分野で知られる他の方法を用いることによっても結合することができる。] 図4 [0114] 縫合糸は、外科用糊もしくは接着剤およびレーザーと同様に、当技術分野でよく知られている。本発明の方法に使われる糊は、生体適合性であり、一般にシアノアクリレート・ベースの接着剤、フィブリン・ベースの接着剤、ポリウレタン・ベースの接着剤、ポリイソシアネート・ベースの接着剤、ポリエテレングリコール・ベースの糊、ラテックス糊、生物糊またはタンパク質ベースの糊、およびUV硬化性の糊であると考えられる。適切な糊は、本明細書に記載される糊を含むが、それらには限定されない。縫合糸または糊は、抗菌剤のような生理活性部分を含むことができる(例えば、米国特許第5,762,919号)。] [0115] レーザー溶着法またはレーザーソルダー法のような、レーザー外科技術も当技術分野で知られている。例えば、D.Simhon,in Laser in Surgery:Advanced Characterization,Therapeutics,and Systems,XIV,Vol.5312,176-185(2004);S.Nakata,et al,The Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery,98,57-62,1989;およびSanford L.Klein,et al,Microsurgery,15:4,287-288,2005を参照。しかしながら、レーザー吻合術は、ソルダー法における管腔の閉鎖、出血、並びに外膜および中膜における従来のレーザー吻合条件下でのコラーゲンおよびタンパク質の変性のような、副作用を引き起こすことが報告されている。例えば、S.Nakata,et al,The Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery,98,57−62,1989;T.Bavbek,et al,Ophthalmologica 219,267−271,2005を参照。管腔内にゾルゲル組成物を配置することによって該管腔端が開いた状態に保たれ、レーザー光線による損傷から組織が保護されることになると考えられる。] [0116] (固相)ゲルが存在するので、脈管の閉鎖をもたらすことなく、かなりの量の接着剤を使用することができる。熱可逆性ゾルゲル10によって提供される構造的支持が、脈管内に存在しない場合、クランプおよび糊の適用のような圧力が脈管の外側に加えられると、脈管が潰れてしまうことがある。しかし、熱可逆性ゾルゲル10が、脈管を開いた状態に保っているので、一緒にシールされることになる端部3および4に自由に糊を適用させることができるばかりでなく、シールが生じることになるポイント近傍の脈管1の表面に沿って糊12を適用させることができる。かくして、図4に示されるように、端部がシールされたポイントの両側における脈管1の外側に糊が適用されている。糊は、任意の望ましい量だけ外側に広がってもよい。しかしながら、より小さい脈管では、約1mm〜約10mmの距離だけ糊が外に広がれば一般にじゅうぶんである。糊は、接続ポイントの全外周にわたって外側に広がることができる。接着剤12を硬化させて、脈管の2端間の結合がシールされた後、クランプ7および8を除去することができる。] 図4 [0117] 一実施形態において、糊は、内側に向かってゲルの表面にも浸入し、それによって第1の管腔の組織断面全体にわたって第2の管腔への接着がもたらされる。別の実施形態において、糊は、閉じられる管腔の外表面だけではなく、断面にも適用される。組織の内殖およびバリアを越えた治癒を可能にするためには、糊が多孔質であるとよいと考えられる。例えば、糊と混合可能であるが非混和性であり、組織に比較的速く吸収されて糊に細孔を残すことができる、乳化液であってもよいポロジェンを糊に含むことができる。組織は、糊のマトリックスに浸潤し、糊が体に再吸収されていくにつれて、全体的に治癒されることができると考えられる。組織の増殖を促進し、屈曲、再狭窄、およびかかる手技に係わりうる他の状態を防止または低減するために、糊は、本明細書に記載されるような生理活性物質をさらに含むことができる。] [0118] なおさらなる実施形態において、糊と比較して優れた脈管への濡れ特性をもつことができる本熱可逆性ゾルゲル組成物は、管腔の内表面に糊が浸透するのを抑制することができる。いくつかの実施形態において、糊とゾルゲルとは限られた混和性をもつ。脈管がゾルゲルで支持されていないときに、2つの脈管を糊で接続すると、管腔内部を糊がシールしてしまう可能性があり、それ故に安全性に関する懸念を生じかねない。いくつかの実施形態において、糊とゾルゲルとは実質的に非混和性である。] [0119] 図5Aに示されるように、いくつかの実施形態において、管腔が接続された後、クランプが除去される前に、熱源を除くことによって、または冷水もしくは氷のような冷熱源を適用することによって、例えば、接続された管腔の温度をゾルゲル組成物の転移温度より低く下げることにより、ゲルが液体状態に変えられる。次に、手術担当医は、安全性の懸念を生じかねない望ましくない固体塊が、脈管中に残っていないことを確かめるために、例えば、脈管を観察することによって、またはじゅうぶんな時間待つことによって、相転移が完了したことを確認する。ゾルゲルがすべて液体になったことを確認した後、血流を確立し、続いて液化したゾルゲルを血流によって除去することを可能にするために、クランプ7および8が次に除去される。相転移は、糊がキュアまたは硬化する前またはその後に、好ましくは、糊がキュアまたは硬化した後に行うことができる。] 図5A [0120] クランプ7および8を除去するときに(図5)、本組成物をゲル状態に維持するために加えていた熱が除去されて、ゲルが液体に相変化する。相変化の反転によりゲルが液体になり、血流によるゾルゲル組成物の分散が引き起された時点で、図6に示されるように、脈管が再び開く。他の場合には、ゾルゲル組成物の部位に流れるであろう、血液のような、体液に溶解させることによって、ゾルゲル組成物を除去することができる。さらに他の場合には、相転移および溶解を組み合わせて用いることができる。いくつかの実施形態において、温度で誘発される相転移および/または溶解をイオン強度、pH、もしくは光などのような、他の手段によって促進することができる。] 図5 図6 [0121] 図5に示されるように、この時点で糊12は、キュアまたは硬化済である。糊12は、脈管の端を一緒にシールするばかりでなく、接続ポイントの両側における脈管の外表面にも塗られ、そこでは外周状に塗られている。従って、糊12が硬化したとき、糊12は、外部ステントの機能を果たし、ゲルが液化した後に開いた脈管1を保持する。糊を外部ステントにしておくことが必須ではないが、これによってさらなる利点が提供されうる。糊は、かなりの時間にわたって所定の位置に留まるように設計されるか、或いは脈管の2端が融合するにつれてゆっくりと時間をかけて溶解するように設計されることもできる。] 図5 [0122] 本発明の組成物および方法を用いて吻合手技を行うことにより、従来の手縫いの吻合手技を利用するのに比べて、血管を接続するために必要な時間を著しく低減することができると考えられる。延いては、これが接続された血管の直径および開存率、吻合部の流れおよび破裂強度、手技による合併症、並びに処置対象の死亡率に関する手技結果の改善をもたらすことができる。] [0123] 本発明の方法は、端端、端側、および側側吻合に適用することができる。本発明の方法は、患者における2つまたはそれ以上の血管を結合するために、或いは患者の血管を、動静脈移植片、動静脈シャント、同種移植片、異種移植片、合成移植片および死体異種移植片からなる群から選択される管腔と結合するために用いることができる。] [0124] 上記の方法の他の様態は、管腔の結合および手技の様々な様態の視覚化または画像化、並びに手技の安全性および有効性のモニタリングおよび評価を含む。多くの場合、本手技は、医師が手技の進行をモニターまたは視覚化するために、視覚的支援を必要とする条件下で行なわれる。例えば、吻合手技には拡大鏡がしばしば必要である。微小血管のコンタクストでは、手術用顕微鏡がしばしば用いられ、腹腔鏡による手技には腹腔鏡が用いられる。他の画像化用医療機器も、限定されることなく、冠状動脈バイパス移植手技においてトロポニンTレベルを測定するように、心筋の能力、または結合している管腔に接続された他の臓器の能力を示唆するバイオマーカーの血清濃度を測定するためにブロッド・サンプルを収集すること;結合された管腔の直径を、例えば、CT血管撮影法を用いて測定すること;開存性および通過流を決定すること、例えば、超音波ドップラー画像化(例えば、超音波視覚器を使用);および/または血清もしくは尿における液化ゾルゲルの存在のモニタリングを含む、手技の進行および/または有効性をモニターするために用いることができる。適切な方法が、当技術分野で一般に知られている。] [0125] かくして別の様態において、本発明は、患者における本発明の方法を用いた少なくとも2つの結合していない管腔の結合、および該管腔の末端部分の幾何学的形状の安定化を画像化するための方法を提供する。] [0126] いくつかの実施形態において、本方法は、患者における少なくとも2つの結合していない管腔の結合(連結)、および該管腔の末端部分の幾何学的形状の安定化を画像化するための方法であって、本方法は、 (a)管腔の少なくとも1つの少なくとも末端部分における本発明のゾルゲル組成物の画像を取得すること;および (b)導管を形成するための該管腔の位置合わせ、および該位置合わせした管腔の閉鎖を示す画像を取得すること を含む。] [0127] いくつかの実施形態において、本方法は、患者における少なくとも2つの結合していない管腔の結合(連結)、および該管腔の末端部分の幾何学的形状の安定化を画像化するための方法であって、該管腔の少なくとも1つはクランプされており、本方法は、 (a)該結合していない管腔に構造的完全性を付与するための適切な位置において、該管腔の少なくとも1つの少なくとも末端部分における本発明のゾルゲル組成物のゲル状態での画像を取得すること; (b)結合される該管腔の適切な位置合わせの画像を取得すること; (c)該管腔の閉鎖の画像を取得すること; (d)該クランプの除去の画像を取得すること を含む。] [0128] いくつかの実施形態において、本方法は、管腔が生体適合性の液体で洗い流される前、および/またはその後に、該管腔の末端部分の内壁の画像を取得することをさらに含む。] [0129] いくつかの実施形態において、本方法は、患者における少なくとも2つの結合していない管腔の結合、および該管腔の末端部分の幾何学的形状の安定化を画像化するための方法であって、本方法は、 (a)該管腔の接続位置への接近の画像を取得すること; (b)該結合していない管腔を結合するための適切な位置において、両方の管腔の末端部分における、相反転が可能な本発明の生体適合性ゾルゲル組成物のゲル相での画像を、取得すること; (c)導管を形成するための該管腔の閉鎖の画像を取得すること を含む。] [0130] いくつかの実施形態において、本方法は、患者における少なくとも2つの結合していない管腔の結合、および該管腔の末端部分の幾何学的形状の安定化を画像化するための方法であって、該管腔の少なくとも1つは、クランプを有し、本方法は、 (a)該管腔が生体適合性の液体で洗い流された後に、該管腔の末端部分の内壁の画像を取得すること; (b)該管腔の接続位置への接近の画像を取得すること; (c)該結合していない管腔を結合するための適切な位置において、両方の管腔の末端部分における、相反転が可能な生体適合性ゾルゲル組成物のゲル相での画像を取得すること; (d)導管を形成するための該管腔の閉鎖の画像を取得すること; (e)該クランプの除去、および体液の確立の画像を取得すること を含む。] [0131] 別の様態において、本発明は、患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合する本発明の方法のためのガイダンスを視覚化する方法を提供する。] [0132] いくつかの実施形態において、本方法は、患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合するためのガイダンス、および該管腔の末端部分の幾何学的形状の安定化を視覚化するための方法であって、本方法は、 (a)該結合していない管腔に構造的支持を付与するための適切な位置において、該管腔の少なくとも1つの少なくとも末端部分への、本発明のゾルゲル組成物のゲル相での提供を表示すること (b)結合される該管腔の適切な位置合わせを視覚化すること; (c)導管を形成する該管腔の閉鎖を視覚化すること;および (d)ゾルゲルがゲル相から流動性の液相に変化する、該管腔におけるゾルゲル組成物の相変化の誘発を視覚化すること を含む。] [0133] いくつかの実施形態において、本方法は、患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合するためのガイダンス、および該管腔の末端部分の幾何学的形状の安定化を視覚化するための方法であって、該管腔の少なくとも1つは、クランプを有し、本方法は、 (a)該結合していない管腔に構造的支持を付与するための適切な位置において、該管腔の少なくとも1つの少なくとも末端部分への本発明のゾルゲル組成物の提供を表示すること; (b)結合される該管腔の適切な位置合わせを視覚化すること; (c)導管を形成するための該管腔の閉鎖を視覚化すること;および (d)該クランプの除去を視覚化すること を含む。] [0134] 患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合するためのガイダンス、および該管腔の末端部分の幾何学的形状の安定化を視覚化するための方法であって、本方法は、 (a)該管腔の接続位置への接近を視覚化すること; (b)該結合していない管腔を結合するための適切な位置において、両方の管腔の末端部分への、相反転が可能な生体適合性ゾルゲル組成物のゲル相での提供を表示すること;および (c)導管を形成するための該管腔の閉鎖を視覚化によってモニターすること を含む。] [0135] いくつかの実施形態において、本方法は、管腔が生体適合性の液体で洗い流された後に、該管腔の末端部分の内壁を視覚化することをさらに含む。] [0136] いくつかの実施形態において、本方法は、導管を通る体液流をモニターすることをさらに含む。] [0137] 患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合するためのガイダンス、および該管腔の末端部分の幾何学的形状の安定化を視覚化するための方法であって、該管腔の少なくとも1つは、クランプを有し、本方法は、 (a)該管腔が生体適合性の液体で洗い流された後に、該管腔の末端部分の内壁を視覚化すること; (b)該管腔の接続位置への接近を視覚化すること; (C)該結合していない管腔を結合するための適切な位置において、両方の管腔の末端部分への相反転が可能な生体適合性ゾルゲル組成物のゲル相での提供を表示すること; (d)導管を形成するための該管腔の閉鎖をモニターすること;および (e)該導管を通る体液流をモニターすること を含む。] [0138] 別の様態において、本発明は、患者における結合していない管腔を結合する本発明の方法の有効性を評価するための方法を提供する。] [0139] いくつかの実施形態において、本方法は、患者における少なくとも2つの結合していない管腔を熱可逆性ゲルを用いて外科的に結合する有効性を評価するための方法であって、該外科的な結合手技は、中の流体流を停止するための、管腔の少なくとも1つにおけるクランプ;および該管腔の少なくとも1つの少なくとも末端部分における熱可逆性ゲル;該管腔の位置合わせ;導管を形成するための該位置合わせした管腔の閉鎖;ゲルから流動性の液体への相変化の誘発;該相変化の実質的な完了;並びに該クランプおよび流動性の液体の除去を備え、本評価方法は、 (a)心筋の能力、または結合した管腔に接続された他の臓器の能力を示唆するバイオマーカーの血清濃度を測定すること;および/または (b)結合された管腔の直径を、例えば、CT血管撮影法を用いて測定すること;および/または (c)開存性および流れを、例えば、超音波ドップラー画像化を通じて決定すること、および/または (d)血清または尿における流動性液体の存在をモニターすること を含む。] [0140] 本発明の組成物および方法は、精管切除の再建、卵管結紮の再建、および閉塞または損傷した卵管を治療するための卵管再建手術のような、他の医療手技にも有用であると考えられる。本方法は、末梢動脈疾患の処置におけるような膝下バイパスのみならず、血液透析用にAV移植片、もしくはAVシャントまたは瘻孔を血管に接続するためにも用いることができる。さらにまた、本発明の組成物および方法は、消化器吻合にも用いることができる。最新の消化器吻合手技によって、意義深い漏出率(約2〜5%)が得られている。漏出事件の多くは致命的であり、かなりの罹患率に繋がる。本発明の組成物によれば、連結される消化管を内側で支持することができ、かつ接続ポイントの外周には糊を適用させて完全にシールすることが可能なので、本発明の組成物および方法を用いた吻合は、漏出率を著しく低減し、消化器吻合に起因する死亡率および罹患率の低減に繋がるであろうと考えられる。本発明の方法および組成物は、尿路、涙管、腸、乳管、膵管、胆管などに関する病状の処置にも用いることができる。 IV.本発明のキット 本発明の一様態は、パーツのキット形態にある。本キットは、上記に例示されたような本発明の方法論の実施方法に関する、具体的なインストラクションを含むことができる。] [0141] さらにまた、本キットは、本発明の熱可逆性ゾルゲル組成物を、好ましくは無菌のかたちで含んだ容器、および供給デバイスを含むことができる。本供給デバイスは、シリンジ、ピペット、カテーテルまたは腹腔鏡用具などであってもよい。代わりに、本キットは、熱可逆性ゾルゲル組成物を、やはり好ましくは無菌のかたちで、搭載した供給デバイスを含んでもよい。例えば、本キットは、無菌のゾルゲル組成物がすでに搭載されたシリンジ;または無菌のゾルゲル組成物を含むガラスまたはプラスチックでできたアンプルであって、中に含まれるゾルゲルを適用させるために、カットして開くことができる先端をもつアンプルを含むことができる。] [0142] なおさらに、本キットは、一般に管腔、または処置されるタイプの脈管(或いは導管、管など)と接続して用いてもよいタイプの1つ、2つまたはそれ以上のクランプを含むことができる。なおさらに、本キットは、縫合糸、固定用クランプもしくはクリップ、または上記のタイプの外科用糊を含むことができる。なおさらに、本キットは、ゾルゲルの液体からゲルへの転移を誘発させて、それが除去されるまで固相またはゲル状相に維持するための熱源を含むことができる。かかる熱源は、熱可逆性ゾルゲルの相変化を誘発させるのにじゅうぶんな温度を維持できる、温風を送ることができる熱風ブロアー、加熱パッド、光エネルギー源、潅液蒸気源、赤外線加熱機器などであってもよい。さらにまた、本供給デバイスを加熱または冷却用部品と連結して、加熱または冷却源として機能させることができる。本キットは、ゲルを除去すべきときにゲルの液体への転移を誘発させるための冷却源も含むことができる。本キットは、接着剤の供給システムもさらに含むことができる。本キットは、本発明の熱可逆性ゾルゲル組成物から分離していてもよく、或いはそれに組み込まれていてもよい、1つまたはそれ以上の医薬として活性な薬物をさらに含むことができる。従って、例えば、本キットに個別に提供されてもよく、或いは本熱可逆性ゾルゲル組成物に組み込まれてもよい薬物は、ヘパリンのような、抗凝固物質を含むことができる。本熱可逆性ゾルゲル組成物は、脈管の治癒に役立つ創傷治癒薬のような、他の物質をさらに含むことができる。] [0143] 商業的に実用を容易にするためには、無菌で実質的に発熱物質がないように、例えば、規制上の要件に従って物質を調製するとよい。材料およびデバイスは、無菌パッケージに予め包装するとよい。] [0144] (実施例1:本発明のゾルゲル組成物の調製および特性測定) 表1に挙げた配合1を有する熱可逆性ゾルゲル組成物100mL(100g)を調製するためのプロトコルがここに提示される。] [0145] 物質: りん酸塩緩衝食塩水(「PBS」):72g、pH7.4、Ca2+およびMg2+を含む; ポロキサマー407(BASFPluronic(登録商標)F127):17g; ポロキサマー188(BASF Pluronic(登録商標)F68):11g。] [0146] 手順: 固体ポロキサマーの溶媒への分散を促進するために、上記の物質を4℃において高剪断条件下で混合した。ポロキサマーの溶媒中への完全な溶解を可能にするために、異種混合物を次に4℃で12時間インキュベートする。その後、混合物が確実に均質になるように、さらに攪拌する。] [0147] 他の配合を有する組成物も、ポロキサマーの総濃度と2つのポロキサマーの比率とに応じて同様に作製することができる。] [0148] 溶媒としてPBSを水または他の水溶液で置き換えてもよい。溶媒は、結果として生じる熱可逆性ゾルゲル組成物が周辺組織に実質的な損傷を与えないように、体液に近いイオン濃度およびpHをもつことが好ましい。] [0149] ゾルゲル転移温度(組成物が液体からゲルに転移する温度)を測定するために、各溶液量をストレスレオメータ(TA Instruments AR1500EXのレオメータを使用した)の平行プレート間に配置した。該プレートは直径が4cmであり、ギャップは1mmに設定した。レオメータを用いて様々な温度における弾性率を周波数1Hz、歪1%で測定した。表1は、いくつか異なった配合のゾルゲル組成物の様々な温度における弾性率を示す。] [0150] (実施例2:本発明のゾルゲル組成物を用いた吻合手術) ラットの心臓管状組織に対して実施された端端吻合の外科的方法: すべての適用法令に従い、かつ良好な研究所慣行に従って処置および世話を行ったラットをイソフルランで麻酔し、70%エタノールを用いて無菌状態で準備する。正中開腹切開を通じて大動脈を曝露し、鈍的および鋭的切開によって分離する。大動脈を近位および遠位においてクランプし、その後分割してヘパリン添加した生理食塩水で洗い流す。ある場合には、ラットと配合1のゾルゲル組成物とを滅菌水中で約37℃に温めて、次に配合1のゾルゲル組成物を半固体状態で、切断した大動脈に注入する。他の場合には、配合物1のゾルゲル組成物を液体として注入し、次に対流熱源を用いて約37℃に加熱して固化させる。大動脈の端部を押し付け合うことにより直に再接近させた後、シアノアクリレート接着剤を適用させて60〜120秒間硬化させる。次にクランプを除去し、5-0 Vicryl(Ethicon,Inc.,Somerset,NJ)および4−0 Nylon(Ethicon)を用いて正中切開部を層ごとに連続して閉じる。] [0151] 端側吻合の外科的方法: ラットを麻酔して剃毛し、標準的な無菌状態で準備する。正中開腹切開を行って、腹部器官を湿った4×4ガーゼの中に取り出す。腸骨動脈における分枝部を鈍的切開により分離し、腹部大動脈を近位でクランプし、腸骨動脈を遠位でクランプする。左腸骨動脈を分枝に対して遠位で分割し、右腸骨動脈で動脈切開を行う。次に、血管をヘパリン添加した生理食塩水で洗い流す。腹部を暖めると同時に配合1のゾルゲル組成物を温めて(約37℃)ゲル化し、次にそれを注入する。スライディング・クランプを用いて、左腸骨動脈を右腸骨動脈に接近させる(1方のクランプは近位の大動脈上にあり、他方は遠位の左腸骨動脈上にある)。端部が張力なしに対向した時点で、シアノアクリレートを適用させて固まらせる(約5分)。次にクランプを除去して、血流を回復させる。] [0152] (実施例3:血管移植手技にゾルゲル組成物を用いる予言的な実施例) 臨床業務において、天然の脈管(すなわち、患者の血管)がバイパス移植に利用できないいくつかの事例、または、特に高齢の患者では、天然の瘻孔が長い成熟時間を必要とする、またはじゅうぶんには発達しないいくつかの事例がある。これらの事例において、医師は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:polytetrafluoroethylene)を備含んでおり、補強または非補強の配置で形成することができる、例えば、Goreらによって製造される使用済みPTFE(ePTFE:expended PTFE)移植片のような、人工的な導管の使用を選択することができる。腕もしくは脚の多くの位置、または前胸壁のいたる所に合成のarteriouvenous(AV)瘻またはAV移植片を配置することができる。] [0153] 人工移植片は、すべての配置:端端位置間の移植;透折の瘻孔にアクセスするための動脈・静脈シャントのような手技のための端側間;冠状動脈バイパスおよび末梢バイパスの両方のための端側バイパス手技において天然の脈管の代わりに用いることができる。例えば、膝下バイパスでは、移植片は、近位には大腿動脈に、続いて遠位には膝窩artryに接続され、この導管が遠位の肢に血液を運ぶ。移植片を用いる手技は、上述の天然の脈管に対する手技と同様であり、結合していない管腔の端部(ここでは1つは天然、1つは移植片を想定する)にゲルを充填し、次に端部を位置合わせして継ぎ目に糊を乗せ、ゲルの溶解を溶解させて、吻合を完了させる。] 実施例 [0154] 以上は、本発明の原理を例示したに過ぎない。当然のことながら、当業者は、本明細書に明確には記載または図示されていないが、本発明の原理を具体化し、かつその精神および範囲のうちに含まれる様々なアレンジメントを考案できるであろう。すべての例および本明細書に列挙される条件付き用語は、本発明の原理および当該技術を促進すべく本発明者が貢献した概念について、読み手の理解を助けることが意図されており、かかる具体的に列挙された例および条件によって制限されないと解釈すべきである。さらに、本発明の原理、様態および実施形態、並びにその具体例を列挙した本明細書のすべての記述は、その構造的および機能的な等価物を包含することが意図されている。加えて、かかる等価物は、現在知られている等価物、および将来開発される等価物、すなわち、構造に関わらず、同じ機能を実行する任意の開発要素を含むことが意図されている。それ故に、本発明の範囲が本明細書に図示および記載された例となる実施形態によって制限されることは意図されていない。むしろ、本発明の範囲および精神は、添付の請求項によって具現化される。]
权利要求:
請求項1 外科的使用のための熱可逆性ゾルゲル組成物であって、手術野の温度より少なくとも1℃高いかまたは低い、液相からゲル相への相転移温度、および少なくとも8,000パスカルのゲル相弾性率をもち、少なくとも2つのポロキサマーを水性溶媒中に含む、熱可逆性ゾルゲル組成物。 請求項2 前記転移温度は、前記手術野の前記温度より少なくとも3℃高い、請求項1に記載の組成物。 請求項3 前記転移温度は、前記手術野の前記温度より少なくとも3℃低い、請求項1に記載の組成物。 請求項4 前記組成物は、無菌である、請求項1に記載の組成物。 請求項5 前記相転移温度は、約33℃から38℃である、請求項1に記載の組成物。 請求項6 前記相転移温度は、約35℃から37℃である、請求項5に記載の組成物。 請求項7 前記ゲル相の前記弾性率は、少なくとも10,000パスカルである、請求項1に記載の組成物。 請求項8 前記ゲル相の前記弾性率は、少なくとも12,000パスカルである、請求項1に記載の組成物。 請求項9 約6から8のpHをもつ、請求項1に記載の組成物。 請求項10 前記水性溶媒は、水、または塩を含むかもしくは含まない水ベースの溶液である、請求項1に記載の組成物。 請求項11 a)3:1と0.8:1の間の比率のポロキサマー407およびポロキサマー188の混合物約25から33%;およびb)約0.05Mから約0.4Mまでのイオン強度をもつ塩水溶液を含む、請求項1に記載の組成物。 請求項12 1.5:1と1.6:1の間の比率のポロキサマー407およびポロキサマー188の混合物約27から29%を含む、請求項11に記載の組成物。 請求項13 ポロキサマー407およびポロキサマー188の前記比率は、1.53:1〜1.57:1の間である、請求項12に記載の組成物。 請求項14 ポロキサマー407およびポロキサマー188の混合物を約1.55:1の比率で約28%含む、請求項13に記載の組成物。 請求項15 前記塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、りん酸ナトリウム、りん酸一ナトリウム、りん酸二ナトリウム、りん酸カリウム、りん酸一カリウム、りん酸二カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載の組成物。 請求項16 前記塩水溶液は、約7.4のpHをもち、且つ68mMの塩化ナトリウム、1.3mMの塩化カリウム、および5mMのりん酸イオンから274mMの塩化ナトリウム、5.4mMの塩化カリウム、および20mMのりん酸イオンまでの間の塩濃度を含む包溶液のイオン強度に等しいイオン強度をもつ、請求項11に記載の組成物。 請求項17 前記塩水溶液は、約7.4のpHをもち、且つ68mMの塩化ナトリウム、1.3mMの塩化カリウム、および5mMのりん酸イオン;から274mMの塩化ナトリウム、5.4mMの塩化カリウム、および20mMのりん酸イオンまでの間の塩濃度を含む溶液である、請求項16に記載の組成物。 請求項18 前記塩水溶液は、りん酸緩衝食塩水である、請求項17に記載の組成物。 請求項19 約17重量%のポロキサマー407;約11重量%ポロキサマー188;および約72%のりん酸緩衝食塩水溶液を含む、請求項1に記載の組成物。 請求項20 生理活性物質をさらに含む、請求項1に記載の組成物。 請求項21 抗凝固物質は、抗凝固物質である、請求項20に記載の組成物。 請求項22 前記生理活性物質は、ヘパリンである、請求項21に記載の組成物。 請求項23 前記生理活性物質は、抗攣縮剤、抗再狭窄剤、血管新生促進剤およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、さらに前記生理活性物質は、随意的に徐放製剤または遺伝子ベクター中に処方されてもよい、請求項20に記載の組成物。 請求項24 前記生理活性物質は、線維芽細胞成長因子、インスリン様成長因子、血管内皮成長因子、肝細胞成長因子、単球走化性タンパク質‐1、ニトログリセリン、エベロリムス、シロリムス、パクリタキセル、ラパマイシン、バイオリムスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項23に記載の組成物。 請求項25 生体適合性の色素をさらに含む、請求項1に記載の組成物。 請求項26 生体適合性の造影剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。 請求項27 患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合するための方法であって、(a)前記管腔の少なくとも1つの少なくとも前記末端部分に、前記管腔の前記部分に構造的完全性を付与する様式で、請求項1〜26のいずれか1つの組成物を適用させること;(b)前記管腔を位置合わせすること;(c)導管を形成するために、前記位置合わせした管腔を結合すること;および(d)前記組成物を除去し、それによって前記導管を通る体液流を確立することを含む方法。 請求項28 患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合するための方法であって、前記管腔の少なくとも1つは、その中の流体の流れを停止するためのクランプを有し、前記方法は、(a)前記管腔の少なくとも1つの少なくとも前記末端部分に、請求項1〜26のいずれか1つの相反転が可能な生体適合性ゾルゲル組成物を、ゲル相で提供すること;(b)前記管腔を位置合わせすること;(c)導管を形成するために、前記位置合わせした管腔を閉じること;(d)前記ゾルゲルが前記ゲル相から液相に変化する、前記ゾルゲルの相転移を誘発させること;(e)前記相転移の実質的な完了を確認すること;および、(f)前記クランプ(単数または複数)を除去し、それによって前記導管を通る流れを確立することを含む方法。 請求項29 患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合するための方法であって、(a)接続位置において、前記管腔を接近させること;(b)両方の管腔の前記末端部分に、請求項1〜26のいずれか1つの相反転が可能な生体適合性ゾルゲル組成物を、ゲル相で提供すること;(c)導管を形成するために、前記管腔を閉じること;(d)前記ゾルゲルが前記ゲル相から液相に変化する、前記ゾルゲルの相転移を誘発させること;および(e)前記導管を通る流れを確立することを含む方法。 請求項30 ステップ(a)の前にステップをさらに備え、前記ステップは、前記管腔における体液の前記流れを停止することを含む、請求項29に記載の方法。 請求項31 前記管腔における体液の前記流れを停止することは、前記管腔の少なくとも1つをクランプすることを含む、請求項30に記載の方法。 請求項32 前記管腔における体液の前記流れを停止することは、前記管腔の少なくとも1つに圧力を加えることを含む、請求項30に記載の方法。 請求項33 ステップ(e)は、(e1)および(e2)を含み、ここで(e1)は前記相転移の実質的な完了を確認することを含み、そして(e2)は前記クランプを除去し、それによって前記導管を通る流れを確立して、前記ゾルゲル組成物を除去することを含む、請求項29に記載の方法。 請求項34 接続位置において前記管腔に接近させることは、前記管腔を部分的に縫合することを含む、請求項29に記載の方法。 請求項35 ステップ(a)の前に、前記クランプされた管腔の前記末端部分を生体適合性の液体で洗い流すことをさらに含む、請求項28または31に記載の方法。 請求項36 患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合するための方法であって、前記管腔の少なくとも1つは、その中の体液の流れを停止するためにクランプされており、前記方法は、前記クランプされた管腔の末端部分を生体適合性の液体で洗い流すこと;接続位置において、前記管腔を接近させること(該接近させることは、前記管腔を部分的に縫合することを含む);両方の管腔の前記末端部分に請求項1〜26のいずれか1つの相反転が可能な生体適合性ゾルゲル組成物を、ゲル相で提供すること;導管を形成するために、生体適合性の接着剤で前記管腔を閉じること;前記ゾルゲルが前記ゲル相から液相に変化する、前記ゾルゲルの相転移を誘発させること;前記相転移の実質的な完了を確認すること;およびクランプを除去し、それによって前記導管を通る流れを確立し、前記ゾルゲル組成物を除去することを含む方法。 請求項37 前記組成物は、前記管腔の1つだけに適用される、請求項27または28に記載の方法。 請求項38 2つの管腔が結合される、請求項27、28または29に記載の方法。 請求項39 前記組成物は、前記管腔の両方に適用される、請求項38に記載の方法。 請求項40 前記組成物は、前記管腔のすべてに適用される、請求項27、28または29に記載の方法。 請求項41 前記組成物は、前記管腔(単数または複数)の少なくとも前記末端部分中にゲル相で配置される、請求項27、28または29に記載の方法。 請求項42 前記組成物は、前記管腔(単数または複数)の少なくとも前記末端部分中に液相で配置され、続いて前記組成物が液相からそのゲル相に転移される、請求項27、28または29に記載の方法。 請求項43 前記組成物の前記相転移変化は、前記管腔の温度を、前記組成物の転移温度より高く上げることによって誘発される、請求項42に記載の方法。 請求項44 前記組成物は、前記管腔の温度を前記組成物の転移温度より低く下げることによって除去される、請求項27に記載の方法。 請求項45 前記組成物は、体液で溶解させることによって除去される、請求項27に記載の方法。 請求項46 前記管腔は、前記第1の管腔の端部と前記第2の管腔の端部との間に、生体適合性の接着剤を適用させること、および前記接着剤に前記管腔間の結合を形成させることによって結合される、請求項27、28または29に記載の方法。 請求項47 前記生体適合性の接着剤は、シアノアクリレート・ベースの接着剤、フィブリン・ベースの接着剤、ポリウレタン・ベースの接着剤、ラテックス糊、生物糊、ポリエチレングリコール・ベースの糊、およびポリイソシアネート・ベースの接着剤のうちから選択される、請求項46に記載の方法。 請求項48 前記接着剤は、前記管腔の断面に適用される、請求項46に記載の方法。 請求項49 前記接着剤は、前記結合された管腔の外周に適用される、請求項46に記載の方法。 請求項50 前記接着剤は、外部ステントをさらに形成する、請求項46に記載の方法。 請求項51 前記管腔は、縫合糸によって結合される、請求項2728または29に記載の方法。 請求項52 前記管腔を部分的に縫合する追加のステップをさらに含み、前記追加のステップは、ステップ(a)の前および/または後に行われる、請求項27または28に記載の方法。 請求項53 前記管腔は、レーザーを適用することによって結合される、請求項2728または29に記載の方法。 請求項54 第1の管腔は、ヒトの心臓血管系の脈管である、請求項27、28または29に記載の方法。 請求項55 第2の管腔は、ヒトの心臓血管系の脈管、動静脈移植片および動静脈シャントからなる群から選択される、請求項54に記載の方法。 請求項56 第2の管腔は、同種移植片、異種移植片、および合成移植片からなる群から選択される請求項54に記載の方法。 請求項57 第2の管腔は、死体異種移植片である、請求項54に記載の方法。 請求項58 前記管腔の少なくとも1つは、1mm未満の直径をもつ、請求項27、28または29に記載の方法。 請求項59 前記少なくとも2つの管腔は、ヒトの卵管、精管、消化管、膵管、胆管、涙管、および乳管からなる群から選択される、請求項27、28または29に記載の方法。 請求項60 前記管腔は、端端間で結合される、請求項27、28または29に記載の方法。 請求項61 前記管腔は、端側間で結合される、請求項27、28または29に記載の方法。 請求項62 前記管腔は側側間で結合される、請求項27、28または29に記載の方法。 請求項63 哺乳動物の心臓血管系の脈管であって、前記脈管を通って血液が流れる場合に類似した方法で前記脈管壁を開いた状態に保つのにじゅうぶんな様式および量で、請求項1〜26のいずれか1項に記載の組成物を前記脈管中にもつ脈管。 請求項64 生きている哺乳動物における少なくとも2つの結合していない管腔を接続するためのキットであって、供給デバイス;および請求項1〜26のいずれか1項に記載の組成物を備えるキット。 請求項65 前記供給デバイスは、シリンジである、請求項64に記載のキット。 請求項66 前記組成物は、前記シリンジ中に装填される、請求項65に記載のキット。 請求項67 供給デバイスは、カテーテルまたは腹腔鏡用具である、請求項64に記載のキット。 請求項68 前記供給デバイスは、加熱または冷却用部品と連結される、請求項64に記載のキット。 請求項69 前記結合していない管腔の少なくとも1つにおける体液の流れを停止するための、少なくとも1つのクランプをさらに含む、請求項64に記載のキット。 請求項70 前記管腔をシールするための生体適合性の接着剤をさらに含む、請求項64に記載のキット。熱源をさらに備える、請求項64に記載のキット。 請求項71 患者において請求項1〜26のいずれか1項に記載のゾルゲル組成物によって支持されている少なくとも1つの管腔の末端部分の幾何学的形状、および前記管腔の少なくとも別の管腔との結合を画像化するための方法。 請求項72 患者において請求項1〜26のいずれか1項に記載のゾルゲル組成物によって支持されている少なくとも1つの管腔の末端部分の幾何学的形状、および前記管腔の少なくとも別の管腔との結合のガイダンスを視覚化するための方法。 請求項73 患者における少なくとも2つの結合していない管腔を結合する方法の有効性を評価するための方法であって、前記結合していない管腔の少なくとも1つは、前記管腔に幾何学的な支持を与えるための、請求項1〜26のいずれか1項に記載のゾルゲル組成物を有する方法。
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-03-06| A300| Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120306 |
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